北海道神宮「頓宮」の狛犬
北海道神宮の「頓宮」(中央区南2東3丁目)には二対の狛犬が対座しています。拝殿前の一対は、狛犬や神社関係の書籍には必ず紹介される札幌最古の素晴らしい狛犬です。刻された奉献年が明治23年で素材は札幌軟石なんですね~当時の札幌にはこれほど見事な狛犬を彫る石工がいたんですね、同種の狛犬は頓宮の一対だけで札幌近郊では他に見られ無いことから、本州で修行を極めた渡り石工の仕事?などと想像するのも楽しいですね~明治の作らしく右に牡丹を咥えた
吽形(うんぎょう)左は小獅子を持った阿形(あぎょう) 形は極端に腰を上げて身構える「出雲型」に分類されるようです、秀逸なのは阿形(あぎょう)の小獅子で乳を含ませるごとく彫られている事です。本来、獅子は子を谷に蹴落とし百獣の王と成らんがため厳しく育てるとの説話があるように、小獅子をつれた狛犬は我が子を踏みつけるような意匠が多いのですが、明治の石匠(あえて匠です)の確かな技術と優しさと威厳を併せ持つ素晴らしい狛犬です。鳥居のそばにもう一対、
新しい狛犬がいますね~昭和の作だと思いますが、この意匠も素晴らしく、右が阿形(あぎょう)の獅子 左は一角の狛犬なんですね、石材の知識はありませんが、軟石や花崗岩ではなく古い時代から狛犬の材料とされている北陸産の「笏谷石(しゃくだにいし)」かも知れません、古い時代の意匠からの推測です。
by flycoachman
| 2015-07-29 22:55
| 狛犬