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北海道photo一撮り旅

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「夷酋列像」

先日、北海道博物館で展示されている「夷酋列像」展を見てきました。サブタイトルに「蝦夷地イメージをめぐる人・物・世界」とある。主な展示は松前藩の家老で日本画家の「蠣崎 波響(かきざき はきょう」が描いた「夷酋列像」で江戸末期、12人のアイヌ民族の酋長を描いた原画や模写、粉本などである。フランスのブザンソン美術考古博物館から1980年代に原画11枚が発見され、話題になった事を覚えています。

北海道博物館で、9月5日から展示されていましたが、20年ほど前に読んだ「蝦夷地別件」(船戸与一 著) を再読し先日読了!原稿用紙2800枚、上、中、下巻の大作ですので半月ほどかかってしまいました。蝦夷地別件はアイヌ民族が圧政や差別、過酷な労働に耐え クナシリ・メナシの戦いに至るまでの物語で江戸幕府、ロシアやポーランド、松前藩などが絡むスケールの大きな作品です。今回の「夷酋列像」に描かれている族長の 

ツキノエ、イコリカヤニ、イコトイ、ションコなども実名で書かれ、松前藩からこの地域の場所を請負った商人「飛騨屋」の非人道的な使役も克明に描かれています。古くは蝦夷地と呼ばれた北海道は和人と先住民との戦いの歴史でもありました、1457年、渡島地方で起こった「コシャマインの乱」1669年、日高地方で「シャクシャインの乱」道東で起こった最後の戦い「クナシリ・メナシの戦い」今回の「夷酋列像」展は「クナシリ・メナシの戦い」の戦い後、

松前藩に反意を持たなかった族長12人の肖像画と言われています。幕末の探検家「松浦武四郎」が書き残した「知床日記」によれば「アイヌ女性が年頃になるとクナシリに遣られ、そこで漁師達の慰み物になったという。また、人妻は会所で番人達の妾にされたともいわれている。男は離島で5年も10年も酷使され、独身者は妻帯も難しかったとされる。さらに和人がもたらした天然痘などの感染症が、本格的にアイヌ人の人口を減少させた。」アイヌ民族から「シサム」と尊称でよばれた松浦武四郎の「知床日記」から読み取れば「クナシリ・メナシの戦い」は民族の尊厳と誇りを賭けての戦いだったのでしよう、、、「夷酋列像」に描かれなかった族長こそ、最も大きく描かなければならない「英雄」ではないでしょうか、、

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by flycoachman | 2015-10-22 23:00 | アイヌ民族