苫前神社(2)狛犬 苫前町
「苫前神社」の二回目です。苫前の名前もアイヌ語由来で「トマオマイ」(エゾエンゴサクのある所)からの転化だそうです。古い話ですが、苫前と聞き連想してしまうのが「三毛別羆事件」です~大正四年に三毛別六線沢で起こった凄惨を極める事件でした。狛犬の話とは逸れてしまいますので詳しくは触れませんが、興味をお持ちの方は「慟哭の谷」や「熊嵐」を読んではいかがでしょうか~昨日の続きで「苫前神社」のもう一対の狛犬です。百五十五年も前の文久四年奉納の狛犬でした。苫前町のHPからの情報です。
「慶長年間(1596~1615)頃に置かれたトママイ(苫前)場所(商場)では、先住アイヌ民族との交易行われており、やがて有力な商人に交易や漁場の経営を請け負わせて、税金を徴収するようになり、この商人を場所請負人、税金を運上金、交易所を運上屋と呼んでいました。苫前場所の本格的な請負は六代目栖原角兵衛に始まります。天明六年、焼尻・天売両島の漁場請負を認められ、翌年には苫前・留萌場所をも請け負うこととなりました。苫前神社の狛犬は、文久四年三月に、当時の運上屋・栖原店の支配人 須田伊助から奉納された狛犬で、苫前神社の灯籠と同様に極めて貴重なものとなっております」
拝殿前の狛犬です。阿吽(あうん)は定位置、奉納は文久四子年 三月吉日 花崗岩の台座には「支配人 須田伊助」の文字が刻されています。材は砂岩系、意匠は尾の形状から浪速系でしょうか、百五十五年間も厳しい風雪に耐えたのでしょう所々、風化や剥離がありますが、拝殿前のベストポジションを新参狛犬に禅譲せず頑張っているような気概が感じられる記憶に残る狛犬でした。
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「狛犬辞典」上杉千郷/著 「狛犬コレクション」三遊亭円丈/著
「狛犬かがみ」たくき よしみつ/著 「札幌の寺社」札幌市教育委員会
「獅子狛犬と龍」獅子狛犬研究会「神社と神道のQ&A」三橋健/著
「神社辞典」白井永二 土岐昌訓/著「神社と神様がよく解る本」島崎晋/著
「北海道の狛犬」丸浦 正弘/著「北前船寄港地と交易の物語」加藤貞仁著
「狛犬遍路みち」宇野 弘介/著 「獅子と狛犬」MIHO MUSEUM/編
「狛犬見聞録」廣江正幸・永井泰/著
「蝦夷地 場所請負人」ロバート・G・フラーシェム
ヨシコ・N・フラーシェム
(出版社名略)
by flycoachman
| 2019-01-23 21:25
| 狛犬